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跳水現象(hydraulic jump)

流れが常流から射流に変わるときは、流れは徐々に変化していくことができます。しかし、射流から常流に変わるときには徐々に変化することができず、突然の変化(不連続な変化)をすることになります。その突然の変化のことを跳水現象といいます。

跳水現象は実際に皆さんも目にしているはずです。例えば、台所のシンクに蛇口からの水がついたとき、水の流れが円形に広がります。その円形は蛇口からの水の落下地点を中心に、十センチ程度までは速い流れで伝わっているにもかかわらず、突然緩やかな流れに切り替わります。(言ってることわかりますか?)これも跳水現象の一つだといえます。

跳水現象を図で表すと下のようになります。
跳水現象
渦を描いている部分が跳水現象です。上の破線はエネルギー線といって比エネルギーを表しています。跳水現象はエネルギーの減少を伴います。渦が生じる=エネルギー損失 です。この跳水によるエネルギーの損失は、前後どちらかの水深がわかれば計算によって求められます。計算式は

$h_2 = -\frac{h_1}{2}+\sqrt{\frac{h^2 _1}{4}+\frac{2q^2}{gh_1}}$
$h_1 = -\frac{h_2}{2}+\sqrt{\frac{h^2 _2}{4}+\frac{2q^2}{gh_2}}$
$\triangle E = \frac{\left( h_2 - h_1 \right) ^3}{4h_1 h_2}$
の3式です。上二つのどちらかを用いて、片方の水深からもう片方の水深を求めることができます。その後、$\triangle E$ の式を用いてエネルギーの減少量を求めることができます。以上が跳水現象の内容になります。


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