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溶存酸素垂下曲線(DO sag curve)


溶存酸素垂下曲線とは、有機性の汚濁物質が流入してきたときのDOの変化を表したものです。その変化は下のグラフのようになります。

溶存酸素垂下曲線

汚濁物質が流入してきたときを時間0としています。有機物があれば好気性細菌(酸素を消費して有機物を分解する細菌)による分解が始まり、DOが消費されます。同時に、水面や藻類から酸素が供給(再ばっ気)されています。はじめは (再ばっ気速度)<(DO消費速度) となっていてDOはどんどん減っていきます。

好気性細菌による分解が進むと、DO消費速度は徐々に減少していきます。すると (再ばっ気速度)=(DO消費速度) となるときがあります。このときが最大酸素不足点です。これ以降は (再ばっ気速度)>(DO消費速度) となって、DOは飽和に向けて回復していきます。

このグラフで見るべきところはどこでしょうか?それは、最大酸素不足点です。なぜ最大酸素不足点を見なくてはならないのかというと、もし、もっと多くの有機汚濁物質が流入してきたらどうなるでしょうか?分解にはより多くのDOが必要になり下のグラフのように酸素がなくなってしまうかもしれません。

溶存酸素垂下曲線 流入負荷過大

DOが0になった場合、その環境に好気性細菌は生息できません。代わりに、嫌気性細菌(酸素を消費せずに有機物を分解する細菌)が繁殖するようになります。嫌気性細菌のほうが酸素を消費せずに分解できるんだから、好気性細菌よりもいいのではないかと考えるでしょう。

しかし、嫌気性細菌は分解が比較的遅く、分解と同時に硫黄化合物を生成します。硫黄化合物は腐った卵のにおいとよく表現され、温泉のにおいも硫黄化合物のにおいです(腐った卵と温泉ではどちらがわかりやすいのでしょうか?)。これは有毒である濃度を超えると生物が生息できなくなります。

つまり、酸素がなくなった時点で硫黄化合物が生成されだし、生物が生息できなくなるということです。この状況は、汚濁物質の流入がこれ以降なければ徐々に改善されていきます。いつかは嫌気性細菌が汚濁物質を分解しつくしてくれるからです。

すべて分解されれば、DOは回復していきます。そうすれば好気性細菌が出現し始め、ゆっくりともとの環境に戻っていくわけです。まぁ気の遠くなるような時間の話ですけど…みなさん環境は大切にしましょう(^^)


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