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微小振幅波(1)

波の運動は、波長と水深との比で区別することができます。波長と水深の比は相対水深(水深/波長$=h/L$)で表すことができます。この相対水深が、$1/2$より大きい波を深海波、$1/20$から$1/2$までの波を浅海波、$1/20$より小さい波を極浅海波といいます。微小振幅波では、波長$L$と波速$C$を周期を$T$として

$L=\frac{g}{2\pi}T^2 \tanh \left( 2\pi \frac{h}{L} \right)$
$C=\frac{gT}{2\pi} \tanh \left( 2\pi \frac{h}{L} \right)$
と表すことができます。ここで、$\tanh \left( a \right)$ の$a$が大きければ(深海波の場合) $\tanh \left( a \right) =1$ と、$a$が小さければ(極浅海波の場合) $\tanh \left( a \right) =a$ と近似できるので、深海波の波長と波速は
$L_0 = \frac{g}{2\pi}T^2$
$C_0 = \frac{g}{2\pi}T$
と表すことができます。添え字の0は深海波を表す記号です。また、極浅海波の波長と波速は
$L = T \sqrt{gh}$
$C = \sqrt{gh}$
と表すことができます。以上が微小振幅波理論の波長と波速の計算式になります。これらの式の導き方は微小振幅波(2)でやります。


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