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生物の戦略


生物の戦略の中の植物、動物の生活史戦略をやっていきます。生物はその生活環境に応じてその形態を変えたり、体内での栄養配分を変えたりして順応しようとします。順応することができれば個体の生存率が向上し、多くの子孫を残すこともできるようになります。このときに生物がとる手段を戦略といいます。

まずは、植物のCSR戦略から見ていきましょう。CSR戦略はグライムによって考えられたもので、3通りの戦略に分けることができます。3通りの戦略とは、競争戦略、対ストレス戦略、荒地戦略です。それらは、水分や栄養、光、温度といったような恒常的なもの(ストレス)と、野火や台風、霜、干ばつなどの一時的なもの(かく乱)で分類することができます。下に表を示すので見てください。

ストレス かく乱
競争戦略
対ストレス戦略
荒地戦略
生育不可

競争戦略はストレスもかく乱も小さいときにとられる戦略です。このとき植物は生長にエネルギーをつぎ込むことができるので、できるだけ速く生長することで他の植物よりも光合成に有利な条件を得ようとします。光合成に有利な条件とは、葉が大きいことや、茎が長いことなどがあります。また、この戦略をとっているときは、作られる種子にはあまり栄養が与えられません。栄養を与えなくても、子孫が育つ環境だということです。

対ストレス戦略はストレスが大きく、かく乱が小さいときにとられる戦略です。ストレスが大きいということは、利用できる資源が少ないということです。したがって、その少ない資源を有効に利用することで生活します。成長速度は遅くなり、できるだけ光合成をするために常緑性で長寿命の葉を持つようになります。種子には栄養があまり送られません。

荒地戦略はストレスが小さく、かく乱が大きいときにとられる戦略です。かく乱が大きいので、短命な植物が多く、一年生の草本が代表的です。環境が安定しているときには急速に生長するのが特徴です。種子には栄養が多く与えられ、種子は広範囲に散布されます。

次は、動物の生活史戦略です。動物は大きく二種類に分けることができます。それは、r-選択種とK-選択種の二種類です。これらは、下の表にまとめることができます。

r-選択種
(日和見種)
K-選択種
(平衡種)
気候 不規則変化 比較的安定
(周期的)
個体数 変動が大きい 比較的安定
(ほぼ環境収容力)
形質 早熟、多産
小さい固体
成長が早い
1回で全部の卵を産む
晩熟、少産
大きい固体
成長が遅い
何回も繁殖する
寿命 短い 長い

r-選択種は生態系の初期段階でよく見られる種で、一年生の草本や牧草地の昆虫が当てはまります。K-選択種は極相に達した段階でよく見られる種で、サンゴ礁の生物や、森林の生物が当てはまります。この種は一度破壊されると再生が困難です。現在環境破壊が叫ばれているほとんどの場所はK-選択種の生息場所です。


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