群系/環境の大学 >生態学>群系

群系


群系とは、同じような気候条件で生息していて同じような外観を持つ植物群落をいいます。植物は気候条件が近ければ、種の組成が異なっていても同じような生活様式や形態をとるようになるためにこのような分け方をされています。しかし、どのような基準で分類しているのかということが決まっていなければ、その分類を確かなものとして扱うことはできません。

そこで、ドイツの植物地理学者のフンボルトが提唱した決定因子は次の五点です。
(1)群落を代表する優占種の持つ木本、草本などの生活形
(2)個体密度(密生か疎生か)
(3)植物体の高さ(草本、低木、高木、超出木など)
(4)季節による植物体の変化(常緑樹、落葉樹など)
(5)構成している種の組成の複雑さ
これらの五点によって大きく森林、草原、荒原と分けられます。それらの中でもさらに分類することができるので個別に見ていきましょう。

森林
(1)熱帯多雨林

一年中高温で、降水量が多く、多湿の地域の森林です。樹木の種類は非常に多く、多層な構造を持っています。また、生物の多様性にも非常に富んでいて、未だに学名がついていない生物が多く存在しています。しかし、そんな熱帯多雨林も開発のために間伐が行われ急速に減少しています。

(2)雨緑樹林

熱帯地方において、雨季と乾季が存在する地方で成立しています。熱帯多雨林に比べると樹木の種数は非常に少なくなります。乾燥が強くなると種数が減り、樹高が低下していきます。また、乾燥が強いと野火の影響を受けて、樹種が減り、林床植生も貧弱になります。

(3)常緑広葉樹林(照葉樹林)

暖温帯で雨量の多い地方で発達し、一年中葉をつけた樹林になります。日本の大部分(南西諸島から仙台付近の沿岸部まで)に分布していて、樹種はスダジイやタブノキを主体としています。

(4)落葉広葉樹林(夏緑樹林)

夏の間は緑葉をつけ冬には落葉する樹林です。ヨーロッパや東アジアなどで見られます。人間活動の影響を受けている樹林が多く、自然林はほとんど残されていません。日本で残されている代表的な天然林は、東北地方の白神山地のブナ原生林です。

(5)針葉樹林

冬の寒さが強い地方のシベリアや北ヨーロッパで見られます。シベリアでは特にタイガと呼ばれています。種類は少なく、階層構造は比較的単純です。降雨の少ない地方では落葉性の針葉樹も見られます。木材資源として重要な樹林です。


草原
(1)サバンナ(熱帯草原)

熱帯夜亜熱帯において、高温で雨量が少ない地方に見られます。イネ科草本に樹木が点在する地帯のことをいいます。

(2)温帯草原

温帯の内陸部で、冬に低温になるところで見られます。イネ科草本を主体とした草原のことをいいます。

(3)高山草原

標高が高く森林が成立できないようなところで、低温で降雪のある場所に見られます。夏は雪解け水により多量の水分が供給され、冬は積雪で極端な低温から保護されています。


荒原
(1)寒地荒原

シベリア北部やカナダ北部などではツンドラと呼ばれます。永久凍土があって夏には上部だけが溶け出します。夏は白夜があるので土壌表面温度は比較的高くなります。コケ類や地衣類が優占しています。

(2)乾高原(砂漠、半砂漠)

砂漠は年降水量が200mm以下で、温度の日較差、年較差が非常に大きい地方です。半砂漠は砂漠に比べて雨の多い地方をいいます。


[ページの上へ] [環境の大学〜環境を学ぶ〜]