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液体の性質

 ここでは、液体でよく見られる性質として表面張力とその表面張力によって起こる毛管現象について説明します。


表面張力(surface tension)

 液体を作っている分子それぞれには、凝集力という引き合う力が働いています。液体内部の分子(A)は、その周りを同じ種類の分子(Bたち)によって囲まれていて、AはBたちからあらゆる方向に等しい引力を受けています。だから、一種類の液体だけの状態では、安定していて勝手に動くようなことはありません。

 しかし、異なった液体と接触している場合は、接触面で釣り合いが保てず同種の分子の方へ集まろうとします。この集まろうとする力を、表面張力といいます。表面張力は異なったものと接している非常に薄い層でしか働きません。だから、力の強さを表現するには[N]ではなく[N/m]として1mあたりに生じる力と考えます。

 具体的な表面張力の大きさを下に示しておきます。

流体 接触している気体 温度[℃] 表面張力
空気 10 0.00757
空気 20 0.00742
空気 80 0.00636
水銀 空気 20 0.0485
水銀 20 0.0380
オリーブ油 空気 20 0.0033
石油 20 0.00492
原油 空気 20 0.0024〜0.0039

毛管現象(capillarity)

 液体の中に細い管を立てると、表面張力の作用によって管内の液体が水位よりも上昇もしくは下降します。この現象を毛管現象といいます。上昇するものと下降するものは種類によって決まっていて、液体の表面が縁の部分で上がる液体は管内の液体が上昇します。逆に、液体の表面が縁の部分で下がる液体は管内の液体が下降します。


計算

 それでは、ここから少し数式を使って考えてみましょう。数式に自信のない人は飛ばしてもらってもかまいません。でも、それほど難しくはないのですこしがんばってみてください。

○毛管現象による上昇量(下降量)の計算

 上昇量を$h$[m]として液体の柱に働く力の釣り合いを考える。(図参照)

 液体の密度を$\rho$[kg/m3]、重力加速度を$g$[m/s2]、液体柱の直径を$d$[m]、表面張力を$T$[N/m]、接触角を$\theta$[rad]とすると

表面張力 毛管現象

$\rho g \frac{\pi d^2}{4}h-\pi dT \cos \theta = 0$

となる。これは (液体柱の重さ)−(上向きの表面張力)=0 と考えています。これをhについて解くと

$h = \frac{4T \cos \theta}{\rho gd}$

となって上昇量が求められます。

 どうですか?難しいですか?式の見方を説明すれば理解できるのではないでしょうか?これ以降も計算については一つの式の見方に重点をおいて説明していきます。最終的には一人で式を理解できるようになってください(^^)

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