空気線図がある程度使えるようになったところで、冷房設計をしていきます。設定状況は下の図のようになります。
室内空気を1、外気を2、混合空気を3、SA(Supply Air)を④としています。RAダクトを通るRA(Return Air)は室内空気と同じとします。簡単に冷房設計の手順をまとめてから、具体的にどういう式を使っていくのか説明していきます。
手順をまとめると、以上のような8段階に分かれます。では、最終の空気線図を示してから具体的に手順を追っていきたいと思います。まずは、最終の空気線図から見てください。
この図を目標にがんばっていきます。冷房設計は、空気1、2、3、4を空気線図上にプロットできればほぼ終了です。それでは、手順を追って説明していきましょう。
(1)、(2)は設計する環境を決めてプロットするだけです。室内空気の設計値は、快適条件があるのでそれを用いればいいでしょう。ちなみに一般のビル、住宅の快適条件は $t_1$=26℃ 、 相対湿度=50% です。設計用外気は、設計温湿度条件というのが地方別に決まっているのでそれを用いてください。例えば、大阪では $t_2$=34.6℃ 、 $t'_2$=26.5℃ です。
ここで気になっている人がいると思うので説明しておくと、TAC 2.5% の気温とは過去数年間の冷房シーズン(120日間)に 2.5% (3日間)だけ「その温度」を超える日があるという温度です。つまり、120日間の最高気温を日別に積み上げていき、そのうち上から 2.5% の発生率になる気温のことをいいます。(わかりにくいかなぁ…説明が下手ですみません…)
(3)出口空気4をプロットします。方法は部屋に流入してくる熱量から顕熱比(SHF)を求めます。式は
(4)吹出し温度差を求めます。これは空気線図の中の $t_d$ にあたる部分です。単純に空気1と空気4の気温の差をとってください。ここで、 $t_d$ が9~12度に収まっているかチェックしてください。
(5)送風量$Q$、外気量$Q_o$、混合比$k$を求めます。送風量$Q$は
(6)混合空気3を空気線図上にプロットします。(5)で混合比がわかっているので、それを用いて空気3をプロットしてください。
(7)冷却コイル負荷$q_c$を求めます。冷却コイル負荷は
(8)冷却コイル能力$q'_c$を求めます。冷却コイル能力は
以上で冷房設計は終了ですが、最後に空気線図を載せておくのでもう一度確認してください。