定常熱伝導と非定常熱伝導/環境の大学 >伝熱工学>定常熱伝導と非定常熱伝導

定常熱伝導(steady state thermal conduction)と非定常熱伝導


前回は、微小直方体を考えて熱伝導方程式を導きました。それは、次の式で表すことができました。

$\frac{\partial \theta}{\partial t} = a \left( \frac{\partial ^2 \theta}{\partial x^2} + \frac{\partial ^2 \theta}{\partial y^2} + \frac{\partial ^2\theta}{\partial z^2} \right)$

この式で、特に$\partial \theta / \partial t = 0$のときを定常熱伝導、$\partial \theta / \partial t \neq 0$のときを非定常熱伝導として区別します。

定常熱伝導とは、固体内のある場所の温度が時間的に変化しない状態での熱伝導を指しています。つまり、位置によって温度が違っていたとしても、一つの場所に注目すればどれだけ時間が経っても温度が変化しない熱伝導のことです。

それに対して非定常熱伝導とは、時間によっても位置によっても温度が変化しうる熱伝導のことです。

では、実際の環境を考えてみましょう。例えば、コンクリートの壁があるとします。その壁の熱伝導を考える場合、外の環境は太陽の動きによって気温が変化します。すると当然コンクリートの壁の表面の温度も上がってきますよね?ということは、時間によって温度が変化すると考えられるので、非定常熱伝導を考えなくてはならないことになります。

しかし、非定常熱伝導では厳密に方程式を解くことができません。そこで、計算を行う場合は一年を4分割、一日を24分割して、例えば夏の13時には34℃というように決めてしまうことで定常熱伝導として計算を行います。(ただし、より細かく熱伝導を知りたい場合はコンピュータを用いたり、拘束条件をゆるくしたりすることで計算することもあります。)

以上のようなことから、これからは定常熱伝導に限って、具体的な計算方法について説明していきますね。


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