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空気線図(1)

空調の内容ではこれ以降、空気線図が出てきます。まじめにやりたいという方は、空気線図を入手したほうがいいかもしれません。多少画像が荒くてもよければ、googleやyahooで「空気線図」と打って「画像検索」をかければおそらく出てきます。ですが、非常に細かい図なので印刷物として入手したほうがいいでしょう。(挿絵も入れていきますが、原型を見ておかないとイメージできないと思います)

ここでは、空気線図というものの基本的な見方を説明します。まず、空気線図とは何者かということなんですが、空気線図の極めて簡易なものは中学生のときに見ているはずなんです。そのときは飽和蒸気量曲線が描かれていて、露点温度や飽和蒸気量を調べたりするだけだったと思います。空気線図とは、それよりも色々な情報が得られる非常に便利な図です。

とりあえず、下の図を見てください。これが大まかな形を示した空気線図になります。
空気線図
上の図では、赤い点に注目しています。これは、乾球温度、湿球温度、露点温度、湿球温度、絶対湿度、相対湿度、水蒸気分圧、エンタルピー、比容積のいずれか二つがわかれば一点に決まります。どうですか?この時点ですでに便利ではないでしょうか?

では、ここで簡単な変化を例にとって空気線図を利用してみましょう。まずは、空気線図上を水平に変化させてみましょう。空気線図上を水平に変化させるというのは、温度だけが上昇して水蒸気量は変化しないので、電気ストーブなどで空気を過熱しただけの変化になります。
空気線図 水平変化
1から2へ変化するとき乾球温度、絶対湿度、エンタルピーが $t_1$, $x_1$, $h_1$ から $t_2$, $x_2$, $h_2$ へ変化するとすれば、 $x_1=x_2$ と考えられます。

ここで、エンタルピーの増加は、乾球温度の上昇と完全に対応しています。温度上昇に使われる熱は顕熱と呼ばれ、今回の例ではこの顕熱しかないと考えることができます。

次に、垂直に変化する例を考えます。
空気線図 垂直変化
ここでは、エンタルピーの増加は温度に一切使われず、水蒸気量の増加になっています。このように、水蒸気に蓄えられた熱を潜熱といいます。

斜めに変化した場合は、上の二つを組み合わせたものになります。基本的には、上の例二つさえわかっていれば、空気線図はそこそこ使えるものとなります。次は、空気を混合するとどうなるのかということを、空気線図を用いて考えてみたいと思います。


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