植物は動くことができないので、何らかの防御手段を持っていなければ植食者に食い尽くされてしまいます。しかし、その防御手段も農薬などの開発により人が育てる植物衰えてきています。現在では野生植物にしかあまり見られなくなった防御方法を紹介します。
防御方法には大きく分けて物理的防御と化学的防御があります。化学的防御はさらに質的防御物質と量的防御物質とに分けることができます。
(1)物理的防御3種類の防御方法があります。一つ目はサボテンに見られるような、トゲによる防御です。トゲがあることで大きな動物からの摂食を防ぐことができます。二つ目はマメのような堅い種子です。サヤや種子自体が堅いことで小型動物による摂食を防ぐことができます。三つ目は雑草にも見られる毛です。毛が生えていることによって小さな動物の脚に絡みつき動けなくしたりすることができます。
(2)化学的防御毒性を持っていて少量でも効果を発揮する化学物質で身を守ります。化学物質はアルカロイド(含窒素塩基性有機物)やテルペイド(炭化水素)、青酸物質、タンパク質分解酵素阻害物質などがあります。
(b)量的防御毒性がなく大量に摂取すると消化率が著しく低下させるような化学物質で身を守ります。タンニンやポリフェノール、セルロースなどがあります。